2013年8月17日土曜日
F35Bといずも
7月中旬に、ワシントン・ダレス国際空港に隣接する「国立航空宇宙博物館別館」(スティーブン・F・ウドヴァーヘイジー・センター)に行った。ワシントン市内にある「国立航空宇宙博物館」に付属するセンターで、本館よりもはるかに大きく、館内にはおよそ200の航空機と135の宇宙船が展示されている。
そこで興味深いものを見つけた。飛行機のエンジン部だけの展示である。排気ノズルの向きが変更できるような仕組みがあったので垂直離着陸機であることはすぐにわかった。説明を読むとF35Bとあった。恥ずかしながら日本が導入しようとしているF35に垂直離着陸型があるとは知らなかった。デモビデオを見ると、確かにF35だった。調べてみると、垂直離着陸にはつい最近成功したとのことだ。
一方8月に入って、海上自衛隊の艦艇で最大となるヘリコプター搭載護衛艦(全長248メートル、基準排水量約1万9500トン)「いずも」の命名・進水式が行われた。甲板は全通型で最大9機のヘリ(オスプレイーを搭載するのだろうか)を運用するヘリ空母ということだ。「垂直離着陸型の戦闘機を搭載する構想はなく、攻撃型空母にはあたらない。海上交通の保護や災害支援の任務を想定している」(『朝日新聞』8月7日、2013年)。
海自は否定するが、F35導入の本当の狙いは垂直離着陸機の導入にあるのではないか。いずもにF35Bを搭載して空母を持つ計画ではないだろうか。日本が空母を持つにしても、アメリカの空母のように全世界を航行する必要などない。日本近海とりわけ南西諸島方面で運用できれば十分である。F35Bだけでなく、ひょっとすると無人攻撃機を搭載する計画もあるのではないか。
7月に米海軍が無人機の空母着艦に成功した。このことは空母の運用方法が根本的に変わる可能性がある。無人機にどれほどの将来性があるのか、それを確かめるために、8月にワシントンで開催された無人機(Unmanned Vehicle)の展覧会に行った。大きな会場に百数十のブースがあり、様々な機器を展示していた。
航空機、車両、船舶などが展示してあるのではないかと思っていたが、実際に展示されていた武器を搭載した完成品はごく少数で、大半が部品であった。それこそケーブルやコネクター、エンジン、搭載するカメラ、通信機器等専門家、開発者向けの展示会という印象である。現在どれほど無人機が進歩しているかは展示会からはわからなかった。しかし無人機の開発に高い関心が寄せられているのはよくわかった。日本は当然参加していなかったが、韓国と中国(本土か台湾化不明)の企業が一社ずつ参加していた。またアメリカの大学が参加していたことには驚いた。
海自が無人機を開発してヘリ空母から運用できるかどうか、現時点では夢のような話だが、無人機の開発競争は止められないだろう。潘基文国連事務総長が無人機を国際人道法によって制限しようとしているのは、無人機が有効な証拠だろう。ちなみにホワイトハウス前では、しばしば無人戦闘機に反対するデモが行われている。
F35の無人型も開発されているようだから、いずれいずもが無人戦闘機F35の空母になっても驚くことはない。
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