2009年5月30日土曜日

最近の小著『戦争の読みかた』春風社、2008年


内容(「MARC」データベースより)9.11は何をもたらし、何を告げたのか? ネグリとハート、カルドーらの議論を整理。変貌する紛争の系譜をたどり、衰退する国民国家体制に代わる「人間の安全保障」の可能性をさぐる
内容(著者より)
『現代戦争論』(中公新書、1993年)の終章で提起したいくつかの問題や予想した21世紀の世界について、果たして問題は解決されたのか、また予想が正しかったのかを明らかにした。いわば過去の自分への回答書である。1993年の『現代戦争論』を執筆した当時、『現代戦争論』で提示した紛争観や戦争観はあまりに先を行き過ぎて受け入れられなかった。
 当時、私と同じ問題意識を持っていたのは、私の知る限り、イスラエルの安全保障研究者のマーチン・ヴァン、クレフェルトだけであった。その後、問題意識は全く同じであったが、論考の質量では小著を圧倒したネグリとハートの『帝国』や、小著の論証とほぼ同じレベル(と私は思っているが)のメアリー・カルドー『新戦争論』が21世紀になって相次いで出版された。そして同じ頃9.11事件が起き、小著の予測の正しさが証明されたと自負している。では、これからの世界はどうなるのか。『戦争の読みかた』ではさらに考察を重ねている。
 本書は、元来、大学の教科書にするつもりで執筆した。編集者の助言に従い、いくつかの章を削除し、結果的には評論のような本になった。本書をたたき台に今後はさらに考察を深めていくつもりだ。乞う、ご期待。 

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