非暴力平和隊そして憲法9条の会のメンバーは今こそ日頃の主張や理念を実践するために、ただちにフィリピンのミンダナオ島イスラム地域、特にバシラン島に入って、政府軍とモロ民族解放戦線およびアブサヤフの暴力を非暴力で停止せよ。両者の間の停戦はこれまで何度も破られてきた。そして今回私がバシラン島へ入った8月17日にもバシラン島ティポティポで両者の戦闘が発生、政府軍兵士が一人犠牲になった。イスラム勢力側、市民側の犠牲は不明。また同日、バシラン島の戦闘状況を偵察していた政府軍ヘリコプターも何者かに銃撃され、従軍取材していたフィリピンのテレビクルーが負傷した。戦闘は明らかに激化している。
フィリピンアロヨ政府は8月に入ってイスラム勢力の掃討作戦を開始した。両者の暴力のエスカレートを防ぎ、市民の巻き添えを防ぐために、いまこそ非暴力平和隊が両者の間に割り込み、その力量を発揮する時である。戦闘が激化した時に撤退し、市民を危険に曝したスリランカ内戦の徹を二度と踏んではならない。
また憲法9条の会は、自衛隊の派兵反対を叫ぶばかりでなく、自ら護憲を実践する時が来たことを深く自覚すべきである。是非、井上ひさし氏そしてノーベル賞受賞者益川敏英氏らが先頭にたって、バシラン島に入り両者の間にはいって非暴力で紛争解決を訴え、憲法9条を実践してほしい。
伊勢崎賢治氏が言うように、アジアの人々には日本に対する「美しい誤解」がある。すなわち日本は平和で戦争をしない国だということである。それは今のところ彼らにとって単なる伝聞にしかすぎない。いまこそ、フィリピンで憲法9条の精神を実践し、具体的な護憲運動を展開してほしい。
非武装平和隊・日本は国際組織から独立して、憲法9条隊を結成し、独自の活動を展開すべき時が来た。国際組織に入っている限り、たとえNGOといえども各国の国益に左右されがちである。財政面での心配はない。日頃から護憲を主張している労働組合の連合が資金援助や人員協力を拒否するはずがない。また民社党も今こそその護憲を実践するために連合に積極的に働きかけるだろう。連合に加入していた元労働者の退職者で憲法9条隊を編成し、紛争地で非暴力による紛争解決を実践するのである。連合の組合員も憲法9条をまもるために年間1万円を拠出するのだ。それだけで600万人もの組合員を抱える連合からは600億もの資金が集まる。護憲のために年間一万円は高くないだろう。
非暴力も護憲も口先だけではなく実践してはじめてその意義がある。暴力のないところでいくら非暴力といっても全く無意味だ。非暴力平和隊には暴力の蔓延する地域でガンジーの精神にのっとって非暴力で紛争を解決してほしい。それこそが憲法9条の具現化であり、また真の意味での護憲である。冷房の効いている部屋でいくら論議してもバシラン州の人々の苦難は救えない。
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