2009年8月18日火曜日

フィリピンの現状




いくつかの失敗をのりこえて(バスの接続を間違えてイスラム自治地域のコタバトを通過できなかったことなど)、昨日ようやくマニラに到着。最高級ホテルの一つ、ペニンシュラに投宿した。ホテルのあるマカティ地区そしてこのホテルは全く東京と変わらない。物乞の姿などどこにもない。フィリピン名物のトライシクルの影もない。これでロッヂのようなもっとも安い宿泊場所から最高級ホテルまで一応あらゆるクラスの施設に宿泊した。感じたことは、あまりの格差の激しさであった。こうした社会的格差はアメリカや日本のような先進国にもある。しかし、フィリッピンの格差の規模は半端ではない。
 昨夜、当地の日本語新聞『マニラ新聞』に興味深い数字を見つけた。現在の人口はおよそ9千万人。その内半数の4500万人が貧困ライン以下、1000万以上が失業もしくは満足な仕事が得られない、そして900万人が海外就労者という。これでは国家の体をなしていない。ついでながらアロヨ大統領の月給は税引き後の手取り額が5万7750ペソ(約13万円)とあった。公務員の給料は推して知るべしだ。ただし彼女は金持ち階級で、その蓄財が大統領に就任してから倍増しているとして問題視されている。とにかく餓死寸前の人からペニンシュラで豪勢なパーティを開く(昨夜マニラのロータリ・クラブが開いていた)突出した金持ちまであまりの格差だ。特に南部ミンダナオと北部との格差またキリスト教徒地域とイスラム地域との地域間、宗教間格差が大きい印象だ。
 そのイスラム地域にたいしてアロヨ政権はついに過激派掃討作戦を開始した。私が訪問したバシラン州でも作戦が始まったようだ。しかし、社会的格差が縮まらない限りイスラムの反乱、左派の反乱は治まらないだろう。
 写真はバシラン島のイザベラ市の対岸にある水上住宅の村を訪ねたとき、子供たちに囲まれて撮った写真。日本人が珍しかったのか、子供から写真を撮ってくれとせがまれた。

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