2009年11月16日月曜日

鳩山首相は大丈夫か

 鳩山総理に、首相としての能力、力量があるのだろうか。本当に心配になってきた。日米首脳会談で合意したはずの普天間移設問題に関して、「これまでの日米合意を前提としない」との発言には正直驚きを通り越して、首相の精神に一抹の不安を感じた。首相の問題というより、約束したことをすぐに反故にするなど一個の人格として問題があるのではないか。これまでの日米合意を踏まえた上で、検証作業を行うということを首脳会談で約束したのではないのか。「これまでの日米合意を前提としない」という言い方では、全く白紙に戻して再考するとしか受け取りようがない。事実、ニュースを見聞きすると、政府高官筋(官房長官だが)本当に困ったといって頭を抱えているという。
 また「友愛ボート」という提案にも正直驚かされた。一体だれの発案なのか。ピースボートの主催者だった社民党の辻本清美なのか。一般民間人も乗艦させて自衛艦を文化交流や医療支援にあたらせるという。軍艦をピースボートに仕立ててどうするつもりなのか。それよりも自衛艦に乗船し、自衛隊員と一緒に活動しようというNGOが日本にあるのだろうか。しも、これが「単純延長はしない」というインド洋の自衛隊艦の給油の代替措置だとしたら、まさに噴飯物としか言いようがない。給由に代えて文化交流に使うほど自衛艦に余裕があるとは思えない。またそのような任務を与えられる自衛隊員も気の毒としか言いようがない。
 さらにアフガニスタンに4500億円もの援助を5年間に渡って実施するというが、だれがどのようにして具体的に援助を実施するのだろうか。湾岸戦争の時のように日本は再び小切手外交にもどるのだろうか。4500億円もの巨額の無償資金をアフガニスタン一国に割り当てて、今までアフリカやアジアなどの発展途上国に行ってきた経済援助は「事業仕分け」で廃止、削減されるのだろうか。
 鳥越俊太郎は、米国追随ではなく日本独自の援助をすべきだという、あいかわらず「丸い三角」論つまり言葉ではいくらでも言えるが実行は不可能という主張だ。自衛隊抜きの日本独自の非武装援助部隊が現実に不可能だから問題なのだ。二言目にはジャイカの日本人はがんばっているというが、ジャイカの職員は防弾車や外国の警備会社の武装警備員や他国の兵士に守られながら活動をしている。しかも、ほとんどの場合事務所と宿舎の往復だ。また危険があれば、ただちにアフガン国外へ一時退避している。
 恐らくずっとアフガニスタンにとどまり何の警備もつけずに非武装で活動しているペシャワル会の中村哲さん一人だけだろう。彼がタリバーンに襲われないのは、彼がタリバーンだからだと現地で噂されているほど、農民の中に溶け込んでいるからだ。逆に、彼の立場はアフガン政権や欧米や日本政府の立場とは微妙にズレが生じている。
 もし、鳥越氏の言うように日本独自の非武装の支援活動をするというのなら、私が提案する憲法9条部隊のような組織しかないだろう。それはペシャワル会も同じだが、まさかの時には他国の兵士と同様に一命を投げ出す、真の意味での非暴力ボランティア(志願兵)でなければならない。残念ながら、鳥越氏にも自ら一命を投げ出してまでボランティアに志願しようという気はないだろう。だから彼の主張は評論家の「丸い三角」論でしかないのだ。
 日本人には一命を賭してでもアフガンにボランティア活動に行こうという奇特な人間はいないだろう。つまり4500億円は間違いなく他国のNGOに分配されるか、仮にジャイカが予算を執行するにしても、ジャイカは外国の企業と契約し、外国人を雇って援助をするだろう。一体どこに日本人の顔の見える援助となるのだろう。
 鳩山首相は本当に外交には全くの素人としか思えない。その上軍事や安全保障については全く無知蒙昧である。同盟関係とは本来はお互いに相手のために血を流すことを約束した血盟関係である。日米同盟も本質は血盟である。にもかかわらず鳩山首相は環境問題や温暖化など日米間で幅広く重層的な関係を深化させるという。同盟は文化交流ではない。
 本当に鳩山首相で大丈夫か、本当に鳩山首相は大丈夫か。

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