2009年11月14日土曜日

事業仕分けの女子と小人は養いがたし

 まさに「女子と小人は養い難し」というべきか。また「蟹は甲羅に似せて穴を掘る」とでもいうべきか。事業仕分けでスーパーコンピューターの予算が風前のともし火だ。その理由が「世界一でなくていい」、「巨艦主義のスパコンの必要性を見直せ」、「将来生まれる成果を明確にすべきだ」との理由から、最終的に内容を再検討すべきだとの結論になったという。
 技術立国を目指す日本が、その根幹をなすスーパーコンピューターで「世界一でなくていい」「なぜ第二位ではいけないのですか」という女子(蓮舫)の全く的外れの理由から、事業の廃止に追い込まれそうだ。環境問題を最優先課題に掲げる民主党政権が、環境問題の解決に不可欠な技術開発をないがしろにしてどうするのだろうか。そもそもこの女子はスーパーコンピーターの意義を理解しているとはとても思えない。スーパーコンピューター開発がどれほどの波及効果をもたらすか少しでも考えてみたことがあるのだろうか。この女子の経歴を見る限り、到底科学的な知識があるとは思えない。ノーベル化学賞受賞者の野依良治理化学研究所理事長が、まさかこんな小娘に虚仮にされるとは思いもよらなかったろう。所詮、「蟹は甲羅に似せて穴を掘る」しかない。
 また、だれの発言かはわからないが「巨艦主義のスパコンの必要性を見直せ」というのなら、並列式のコンピューターの開発をせよとでもいうのだろうか。また「将来生まれる成果を明確にすべきだ」などと研究開発のなんたるかを知らないバカの発言を聞くと、本当に日本の将来に暗澹たる思いを抱いてしまう。将来日本からは誰一人としてノーベル物理学賞、化学賞、医学賞の授賞者は生まれないだろう。
 恐らく同じ文脈からであろう費用対効果の点で効果が薄いと判定されて、若手研究者養成のための科学技術振興調整費(同125億円)と科学研究費補助金(同330億円)も削減の結論が出た。たしかに若手研究者養成には研究者の失業対策の側面があることは否めない。また科研費にもたしかに無駄がある。しかし、多くの無駄の積み重ねでしか研究の成果はあがらない。そもそも将来生まれる成果がわかっていたら、それは新しい研究とは言えない。
 どのような成果があがるかわからないが、なにかの役に立つかもしれないという研究こそが真の研究だ。マリー・キューリーが放射線を発見したとき、これは将来計り知れない成果を生むだろうなどと考えたのだろうか。ニュートリノを発見しノーベル物理学賞を授賞した小柴昌俊東大名誉教授の研究など、はたしてどれほどの成果が将来あげられるのだろう。
 事業仕分けを見ていると本当に日本は大丈夫なのかという思いにかられる。国民目線で事業仕分けを行うということだが、国民目線というのは義務教育を終えた人の能力である。というのもだれでもが理解できる範囲が国民の能力であり、国民の判断基準なのである。それは義務教育レベルである。どうも民主党政権は日本に衆愚政治をもたらしつつあるようだ。
 官僚支配はエリート主義の弊害をもたらしたが、民主党政権は官僚支配を蛇蝎のごとく嫌うあまり日本に衆愚政治をもたらそうとしている。若い事業仕分人が年配の官僚を切って捨てるかのごとき様子を見ると、毛沢東時代の紅衛兵を思い出す。
 思うに最初に事業仕分けが必要なのは、国会議員ではないだろうか。まず真っ先に政党助成金を廃止し、全国会議員は給料を全額国庫に返納したらどうだろうか。その上で国会議員を半分にへらしてはどうか。すくなくとも民主党の新人議員程度の数はへらせるだろう。新人議員はまったく国会議員の働きをしていないのだから。まずは「隗より始めよ」だ。

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